太る脂質をやめて、質の良い痩せる脂質をチョイス
健康に良い脂質
近年では脂質にも健康に良い痩せる脂質があることがわかってきました。
脂質は糖質、タンパク質を含めた三大栄養素の中でも最もエネルギー量が多いことから ダイエットでは低脂質の食事が推奨されてきました。
しかし近年この常識が変わり、脂質にも痩せる脂質と太る脂質があることが分かってきたのです。
動物性脂肪である飽和脂肪およびトランス脂肪の摂取量の増加と体重の増加に関連が認められたのに対して、不飽和脂肪の消費量の増加は体重の増加と関連が認められませんでした。
つまり脂質は摂取量よりも質が体重に影響するのです。
脂質の質による体重の影響
2018年ハーバード大学医学大学院は3つの大規模調査を合わせて合計13万名の 男女を対象に脂質の質による体重への影響を解析しました。
- 体重の減少効果が高かったのは多価不飽和脂肪酸であり、一価不飽和脂肪酸に変化はありませんでした。
- 飽和脂肪酸は体重の増加効果が高くなり、トランス脂肪酸は増加効果が最も高くなりました。
- 一価不飽和脂肪酸は 動物性では体重の増加効果が高くなるということが分かりましたが植物性は 減少効果がありました。
- 多価不飽和脂肪酸ではオメガ6、リノール酸、オメガ3に体重の減少効果があり、αリノレン酸に最も減少効果がありました。
これらの研究により、飽和脂肪酸やトランス脂肪酸が太る脂質であるのに対し、不飽和脂肪酸の一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の オメガ6オメガ3は、 痩せる脂質ということが結論づけられました。特にαリノレン酸は最も痩せる脂質であるということがわかったのです。
ダイエット中の脂質の摂り方
ダイエットをするならトランス脂肪酸を多く含むマーガリン、ショートニングを使用した 超加工食品は避けましょう。
また飽和脂肪酸を多く含む、肉の脂や加工肉は健康に悪く、太る脂質なので避けるべきです。
リノール酸を含むダイズ油やコーン油の使用も控えましょう。
その代わりにオリーブオイルを調理油として使用することをお勧めします。
オリーブ オイルには ポリフェノールも豊富に含まれ、熱にも強いため調理油として最適です。
そして健康に良く最も痩せる資質であるαリノレン酸を含む えごま油や亜麻仁油を摂取するようにしましょう。
これらの油は熱に弱いためスプーン一杯程度をドレッシングに使ったり、納豆や味噌汁などに加えて摂取するといいです。
さらにEPAやDHAの摂取量を多くするために魚を食べる頻度を高めるとダイエットの効果を促進します。
脂質はエネルギー密度の高い栄養素であるため、どんな油でも取り過ぎは体重の増加を招きます。
日本人の目標摂取量であるエネルギー摂取量の20~30%の範囲内で 健康に良くない太る油の摂取量を減らし、健康に良い痩せる脂質の摂取量を増やすことが効果的なダイエットにつながります。
痩せる脂質と太る脂質まとめ
- 健康に良くない太る脂質・・・肉の脂、 バター 、ラード、 加工肉、 ファーストフードなどの超加工食品
- 控えたほうが良い脂質 ・・・大豆油、コーン油
- 健康に良い 痩せる資質 ・・・オリーブ、 キャノーラ油、 アーモンドなどもナッツ類、 えごま油、アマニ油、魚の油