自律神経の乱れが体重増加の原因に?関係性と太りにくい体質に整えるコツ
自律神経は心身の健康にかかわりが深いというイメージがありますが、実はダイエットにも重要な働きを担っています。
ヘルシーな食生活や適度な運動を心がけたダイエットをしていても、上手に食欲がコントロールできずに体重が増加してしまうのは、自律神経の乱れが原因になっているのかもしれません。
今回は自律神経の乱れが体重の増加につながる理由と関係性、自律神経を整えて太りにくい体質を目指すポイントを解説してみたいと思います。
自律神経とダイエットの関係性とは?
自律神経には、
- 脂肪燃焼や代謝の向上に働きかける「交感神経」
- 食欲を抑えたりダイエット中のストレス緩和、血液循環を促してデトックス作用を高める「副交感神経」
のふたつから成り立ち、交感神経は朝や夕方にかけて、副交感神経は夕方から夜間にかけて優位になる性質があります。
自律神経は不規則な生活や睡眠サイクルの乱れ、ストレスが主な原因となって乱れやすくなります。
自律神経のバランスが崩れると、
- 交感神経、副交感神経が持つダイエット作用が活きなくなる
- 交感神経、副交感神経が優位に立つべきタイミングでそれぞれの働きが生きなくなる
という状態になり、体重増加やリバウンドなどのトラブルにつながってしまいます。
また自律神経には、食欲を抑えるホルモンのレプチンと食欲増加ホルモンのグレリンの分泌をコントロールする働きがあります。
自律神経が乱れると、食欲を増加するグレリンばかりが優位に立ち、レプチンの分泌が不安定になってしまうことで、食べても満腹感を得られない、常に空腹感を感じるといったストレス・不調が出やすくなります。
自律神経の乱れによる体重増加、ダイエットへの影響とは?
自律神経の乱れは、上記でお伝えしたトラブル以外にも、ダイエット失敗につながるいくつもの影響があります。
ここでは自律神経の乱れによる体重増加、ダイエットへの影響を詳しく見ていきましょう。
眠りの質が妨げられてダラダラ食いにつながる
自律神経が乱れると、夜間になっても神経や脳を興奮状態に保持する交感神経ばかりが優位に立ち、健やかな眠りを妨げてしまいます。
夜に眠れなくなると起きている時間が増えてエネルギーやカロリー不足が顕著になり、空腹感が強く出るようになります。
すると夜のダラダラ食いが習慣になってしまって余分なエネルギー・カロリーを一気に摂り込んで体重が増加しやすくなります。
夜は朝や日中に比べると活動量が少なくなる分、消費できるカロリー・エネルギー量が少なくなったり、脂肪遺伝子が優位に立つタイミングです。
このタイミングに睡眠をとれずにダラダラ食いをしてしまうと、たとえ少量食べてしまったとしても大幅な体重増加につながることがあります。
代謝や燃焼力が低下する
自律神経の乱れによって睡眠のリズムが狂ってしまうと、朝から日中にかけて常にどんよりした状態となり、代謝や脂肪燃焼に働きかける交感神経の働きが弱ってしまいます。
すると、食べた分だけ体内に余分なものが溜まるようになったり、食べたものを代謝・分解する胃腸の働きも低下してしまうため、体重増加やむくみ、どんより重たさを感じる体質に変わる心配があるのです。
カラダが冷えやすくなる
自律神経は体温を安定して保つ働きがあるため、バランスが乱れるとカラダが冷えて老廃物・毒素の代謝がスムーズにならずに溜め込みやすい体質に変わってしまいます。
自律神経の乱れによるカラダの冷えは、むくみや代謝の低下、セルライトの増加などダイエットの大敵と言える影響がいくつも出てしまうリスクがあります。
自律神経を整えて太りにくい体質を目指すコツ
自律神経は目には見えないものでもあるので、バランスを整えて体重増加の影響を妨げるのはハードルが高いイメージがあるかもしれません。
ですが自律神経は、日常生活のほんのささいな工夫・アイディアを取り入れながら増やしていくことでバランスが整い、体重増加のストップはもちろん健康的な心身にもアプローチできます。
ここでは自律神経を整えて太りにくい体質を目指す、日常生活で習慣づけておきたい方法を一緒に見ていきましょう。
朝に手のひらの日光浴を行う
自律神経を整えて太りにくい体質を目指すためには、質の良い睡眠サイクルを取り戻すことがポイントです。
この理由は、良質な睡眠によって代謝向上や脂肪燃焼に働きかける成長ホルモンの分泌が活性化するため。
朝に手のひらの日光浴を行うと、紫外線が脳や神経に刺激を与えて目覚めの指令が伝わるようになります。
すると自律神経の乱れによって狂っていた体内時計がリセットされて、朝はシャキッと夜はぐっすり眠れるリズムに整っていきます。
また朝の手のひらの日光浴は、睡眠の質を深めるセロトニンというホルモン分泌を活性化する効果もありますよ。
ストレスを感じたら深呼吸を繰り返す
ゆったりリラックスしながら行う深呼吸は、バランスが崩れてしまった自律神経を唯一整える方法と言われています。
ダイエット中のイライラや体重増加の焦り、不安感が自律神経のバランスを崩してしまう大きな原因となるため、ストレスを感じたらゆっくり大きな深呼吸を繰り返しましょう。
自律神経の乱れは心身がリラックスできるほどに整いやすくなるため、深呼吸をしながらゆっくりと寛げる時間を日常的に増やすようにしましょう。
自律神経に良い食べ物・栄養を摂る
自律神経の乱れによる体重の増加は、身近な食べ物・栄養からのインナーケアができます。
- バナナや大豆製品に含有の多い「トリプトファン」
- トマトやナス、納豆に含有が多い「GABA」
といった食べ物・栄養は、自律神経の調整やストレスのケア、血糖値の上昇を抑える効果が期待できるため、毎日の食事に積極的に摂り入れるようにしましょう。
おわりに
春は環境や人間関係がガラリと変化する時期でもあり、緊張やストレスによって自律神経が乱れやすくなります。
自律神経の乱れは体重増加以外にも、心身やお肌に良くない影響を与えてしまう心配が…。
今回のコラムをきっかけに自律神経に良い生活習慣・睡眠リズム・食べ物に意識を向けて、体重増加の抑制と全身の健康も一緒に取り戻していきましょう。