ダイエットを決意したのに「つい食べてしまう」理由

人間は太りやすいようにプログラムされている

現代の進化心理学で、人の心や体は太るようにデザインされていると言われています。

数100万年前の旧石器時代にその答えがあり、かつて狩猟採集で生活をしていた人はとても不安定な生活（飢餓状態を）強いられていたため充分な栄養を摂取できないことが当たり前でした。

そのため人はより安定した食糧を得るために農耕や牧畜を確立したのです。

人はほかの霊長類と比べて最も太っている生物です

なぜこれほど多くの脂肪を有しているのかというと、脳の大きさに関係があります。

旧石器時代において脳に絶えずエネルギーを補給し、獲物を狩り、子育てをするためにはとにかく余剰のエネルギーをいかに確保するかが大切でした。その供給を可能にしたのが脂肪です。

人は食べられる時に食べて余分なエネルギーを脂肪として蓄積し、飢餓の時に脂肪をエネルギーに変換させて狩猟や育児をすることで生き延びていることができたのです。

すなわち糖質や脂質を美味しいと感じる物が生き残りました。

脂肪を蓄えるために糖質や脂質をなるべく多く摂取することが、飢餓を乗り越えるための旧石器時代の食事戦略。

糖質や脂質を「まずい」と感じる個体は、旧石器時代では生き残れませんでした。

糖質や脂質を「美味しい」と感じたくさん食べる個体が脂肪を蓄えて生き残り子孫が繁栄することができたのです。その末裔が私たち現代人なのです。

現代人の心は旧石器時代のままです。旧石器時代において男女における嫉妬心を持たない個体は子孫を残すことができず淘汰されてきました。

嫉妬する男女は相手を引き止めることができ子孫繁栄に有利になります。その結果として私たちの脳にも嫉妬心が受け継がれています。

そして甘い糖質や、脂っこい脂質が多い食べ物をおいしいと感じる人は、選択的に生き残る事が出来ました。現代人の脳には糖質や脂質を美味しいと感じるプログラムがインストールされています。

だから私たちは甘いスイーツが大好きで、脂肪たっぷりのお肉やファーストフードが大好きなのです。

人には蓄えられるときにできるだけ蓄えるという意識がインプットされていることを覚えておきましょう。

私たちの心や体の仕組みは旧石器時代のままですが、生活は変化しました。現代ではあらゆる交通機関が発達し、狩猟で走り回ることも、大陸を何日もかけて移動することもありません。

近くにコンビニやスーパーがあり、ウーバーイーツでいつでも食品を届けてもらうことができます。

また多くの自動販売機があり糖質を含んだ飲み物をいつでも飲むことができます。

つまり私たちは飽食の時代なのに、心と体は旧石器時代のまま生活をしているということです。このミスマッチの結果が肥満なのです。